なにが取り締まられようとしているのか

ネットカフェ万引き横行、秋葉原で検挙急増

 東京・秋葉原で、インターネットカフェに寝泊まりする「ネットカフェ難民」による万引きが横行している。盗んだゲームソフトや電気製品を中古品買い取り店やネットオークションで売りさばき、その金をネットカフェの入場料や食事代に充てているという。警視庁は、店側や品物を買い取る業者に対策をとるよう呼びかけている。

 JR秋葉原駅近くの電器店で4月16日、コミック9冊を万引きしたとして、無職の男(33)が窃盗容疑で現行犯逮捕された。男は以前、茨城県内に住み、定職もあったが、数年前からネットカフェを渡り歩いていた。盗んだ本を売って現金に換えるつもりだったという。

 秋葉原を管轄に持つ万世橋署によると、最近こうした「ネットカフェ難民」の万引きが目につく。昨年1年間に万引きで検挙されたのは225人で、前年の2倍近くに増えた。今年も1〜6月で87人にのぼる。このうち未成年者は約2割にとどまり、20代、30代が7割以上を占めている。全体の約6割は職を持たず、そのうち8割近くが住所不定で、同署は、検挙者の多くがネットカフェ難民とみている。(以下略)

http://www.asahi.com/national/update/0831/TKY200708310181.html

最後の「そのうち8割近くが住所不定で、同署は、検挙者の多くがネットカフェ難民とみている」というところ、肝心のところで、「みてる」と推測であることを認めておきながら、タイトルは「ネットカフェ万引き横行」と断定しているのはフェアなやりかたなんでしょうか?

先日のネットで知り合った人々による殺人など、ネットを温床にした犯罪が増えていることは事実でしょうが、ネット空間という本来的に場所にとらわれずに浸透している不気味さを、ネットカフェという、たまたま空間的に現れていて取り締まりやすい場所を問題化することで問題をとりあつかっているような気になっているところが納得いきません。

「お客様は難民ではない」ネットカフェの業界団体が声明

 お客様を「ネットカフェ難民」と呼ばないで──。最近の報道などでよく用いられるようになったこの言葉について、日本複合カフェ協会(JCCA)が使用を止めてほしいと訴えている。(中略)

 なお、JCCAによれば、深夜にネットカフェを利用する人の中には定職に就くことが難しい人もいることは認めており、地域によってはその数が多いこともあるという。ただし、これを大きな社会問題だとする見方には疑問を投げ掛けるとともに、「お客様は難民ではない」(JCCA)と強調している。

 厚生労働省が8月28日に公表した「住居喪失不安定就労者の実態に関する調査」では、ネットカフェなどに寝泊まりしながら不安定就労に就いている人の実態を報告している。この調査にあたっては、JCCAにも協力の打診があったが、「ネットカフェ難民ありき」の調査だとしてJCCAでは協力を断わったとい

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/08/28/16718.html

ネットカフェ、というかまんが喫茶は一種のインフラになりつつありますよね。以前八王子で見かけた禁断の組み合わせのような事例もこれからどんどん増えるんでしょう。

都市の郊外化という、押しとどめられない流れの現象のひとつなのでしょうか。