0204 森山邸

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新建築の連載のための取材で、日曜日のお昼に西沢立衛さんの森山邸へ。前回は難波研の学生たちと一緒に行ったが、今回は二回目。出迎えてくださった施主の森山さんに、「この前いらっしゃったときは、大雨でしたよね」と言われてぎょっとする。この前は一言二言ご挨拶をしたくらいなのに、覚えていらっしゃる!この「人」への興味が、この建物のキャラクターと使われ方を支えていると実感。


西沢さんが到着された後、連載の担当者であるヤマシロ、高橋賢さん、山本想太郎さん、石黒由紀さん、編集者の皆さんで西沢さんの案内で建物をみる。森山さんの住まいだけでなく、すべての住戸の中を見ることが出来た。

晴天にめぐまれた休日の午後、ということもあり、とても穏やかな空気に満たされていて、開放的な住まいの姿を堪能できた。

この建物は一種の集合住宅なのだが、「森山邸」という名前が示すように、個人の住宅の庭に立つ離れ(群)に、大家さんと気があう若者たちが下宿しているような住まい方だと思う。必ずしも容積率を完全に使い切らない規模も、個人の大家さんの投資可能な資金と返済計画のバランスで決まっているようだ。

建物としての魅力だけでなく、建物の間に広がる庭が次第に手入れをされていって、価値を増していく。

土地の仕入れから始まる事業としての集合住宅ではなかなか成立しにくいだろうが、東京にもまだまだたくさん存在する個人の地主が取り組み、地域に関わっていく姿としては、他にも展開可能な一般性につながるモデルだと思った(もちろん、この得難い施主と、建築家の才能の合体による特殊解として生まれたものであることは当然ですが、一般性につながる可能性はあると思います)。