だんだんと

洪水、田畑で防げ…治水対策を国交省が転換

 すべての川に堤防を築いて洪水を封じ込めるという、長年にわたる治水行政の目標を国土交通省が転換しようとしている。

 公共事業費大幅カットで堤防建設が進まないうえ、近年、異常豪雨による洪水被害が相次いでいるからだ。

 川からあふれた水を農地に導き、田畑を「遊水池」がわりに使おうというのが新たな治水策。来年の通常国会への法案提出を目指しているが、農水関係者からは「田畑も洪水から守るべきだ」「補償はどうなる」と反発も強く、政策転換は難航も予想される。

(中略)

 この行き詰まりを打開しようと、国交省は、連続した堤防(本堤)が出来る見通しが立たない農村部の中流域では、当面は小堤の建設にとどめ、集落だけを取り囲む「輪中堤(わじゅうてい)」や、生活道路をかさ上げして堤防がわりにする「二線堤(にせんてい)」を優先的に建設するという新施策を打ち出した。

 20〜30年に一度の大洪水時などには田畑に水をあふれさせる。人口が集中する下流で堤防が決壊し、壊滅的被害が出るような事態を防ぐ狙いもある。水をあふれさせる地域では、土地利用を規制して住宅や店舗が建たないようにする。

(以下略)

(2006年9月12日14時48分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060912i5w8.htm

「お金がない」という前提に立つと、また違うアイデアも出てくる(世に出ることを許される)ということでしょうか。

田畑を含めてすべての場所を水害から守る、というのがもちろんベストなのでしょうが、それが困難な場合は次善の策を講じて、「減災」を計るというのがよいように思うのですが。


都市計画の現場でも、永遠に出来そうもない計画道路に縛られるのではない方法がとられる可能性が出てきたように思います。