0811 UIWS 発表前日

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昨晩はレクチャーの二人反省会。朝起きると部屋を掃除。ベットやシーツを片付ける。オリビアのお母さんの家を引き払い、パディントンにあるオリビアの友人の家に移動。ギャラリーの二階にある1LDKの住まい。住人はメリッサさんというプロのチェリストらしい。旅行中の空き家に住まわせてもらうことに。

パディントンのカフェで朝食を取り、ゆっくりと大学へ。学生たちはそれぞれのアイデアをもとに、実験を繰り返している。これまでの各自のアイデアのスケッチや、試行錯誤の経緯をビデオにまとめている学生もいる。

お昼前には、シドニーで活動している、男女二人組みの建築家と話をする。この二人とは昨晩のパーティーで知り合った。ヘルツォーク・アンド・ド・ムーロンの事務所で働いていた二人で、ヒメノさんという共通の友人もいることが判明。シドニーの人々にとって(一般の人であっても)住宅を作ることは一種の投資であり、スイスのようにここで生き死んでいく、という場を作るのとはまったく違う、という話を聞く。さて、日本はどうだろうか。


午後は小さな波止場で学生と待ち合わせ、Joeのボートで島へ。ケイタイでボートを呼んで、島に渡る、という流れにもすっかり馴染む。とっても贅沢な時間を過ごしているという実感が湧く。

さまざまな機材のセットと、アイデアの検証。最終的に水による鏡面状の床、キャンドル、ビデオプロジェクターによる光、音、を組み合わせた演出とする。最初キャンドルの光だけで始まり、ホースの水でそれを消し、音が始まり、ビデオプロジェクターによる演出が始まるという演出を学生が考え出す。何度かやってみるが、どうしても安っぽい演出。基本的にベストの状態を作り出し、最初からそれを見せることに。変化していくのは外に見える夕日の光だけ、ということに話が落ち着く。

演出のアイデアも、REのメンバーだけであれば話の段階で却下のこともあるが、ここではできる限り実際に試し、状況を実感した上で判断を下す。これは拙い英語で議論をするより、深く納得してもらえる、ということもあるが、何よりトライアンドエラーをいかにたくさん繰り返せるか、ということがデザインの本質に近づく早道である、ということをわかってほしいという思いでもある。実際、われわれにとっても光の効果は実際にやってみないと分からないことのほうが多い。

結局22時まで実験を繰り返し、荷物を片付けて島を離れる。学生たちもこのプロセスの面白さがわかってきたようで、ぎりぎりまでさまざまな試行錯誤を繰り返す。Joeのボートに乗るのも今晩が最後。月の光を受けて、波頭が本当にきれいに輝いている。こういう状態を人為で作り出すことはできるのだろうか。