北京WS 13日目 :: 最終講評会

今朝は8時ころに起床。
身支度を整えて、9時30分に会場へ。
皆、徹夜で作業をしていたようだ。パソコンに向かったり、模型を作ったり、ソファで眠ったりしている。
ナンバ先生と一緒に学生に声をかけ、作業を続けてもらうようにした。


その後一旦会場を離れ、タクシーで王府朕の東方新天地へ。リネンのテーブルまわりのクロスをお土産として追加で購入する。

なんとなくApple Storeを覗く。日本よりずいぶん高い気がしたので、話を聞いてみると、一種の贅沢税がかかっていて高いのだとか。日本で買った方がいいよと言われる。

時間がなくなってきたので、マクドナルドでセットを買い、タクシーのなかで食べながら会場へ帰る。セット17元。


会場に戻り、作業のまとめと、会場の片付けを指示。

徐々に先生たちが集まり、予定の14時を10分ほど遅れて最終講評会がスタート。
チバ先生が急用で訪中出来なくなったため、東大からナンバ先生、キシダ先生、ヤマシロ、清華大学からキョ先生、シュウ先生、チャン先生、タン先生、ショウ先生、そしてゲストクリティークとしてマツバラ先生が参加。

10人の学生たちが、一人5分のプレゼンテーション、10分の講評を行う。

四合院という、非常に強い形式をもった伝統的な住居に対し、それに対して増築を試みる案、整形のグリッドのずれを発見してその隙間に地域に不足している生活のための空間を挿入する案などが提示された。

様々な議論が出たが、最後に「短い時間のワークショップで、北京や敷地周辺の住民の要求や生活の実情が理解出来なかったのではないか。次は中国の学生と一緒にやったり、もっと長い期間をワークショップに当てられればよかった」というような発言が清華大学の先生からでた。

このような言い回しは、深い意味はないのかも知れないが、ワークショップの意義そのものや参加者を非常に馬鹿にしたものだと思った。

すぐに学生も「どこがどう分かっていないのか、説明してほしい」というように聞き返していた。

マツバラ先生も「所詮は設計者というものは他者としてしかあり得ず、それは時間の長短の問題ではない。他者としての視線を前提に、それをどうどうと提示するべきだ」と語ってくれた。

与えられた条件のなかで、いかに他者であることを意識しながら、最善を尽くす。それは他国の文化との間だけではなく、日本という国の中での地域の差、あるいはある見知らぬ家族のための住宅であっても常につきまとうことで、それを前提としてしかものはデザイン出来ない。

予定の3時間を超過して発表、講評を終え、ワークショップのプログラムを終了した。


その後、学生たちは会場の清掃と各自の荷物の整理。
先生たちは今後の大学間の交流や来年度のワークショップの可能性などについて意見を交換。

清華大学の先生たちはコンペの締め切り直前で時間がないということで、時間のある先生と東大からのメンバーで打ち上げ会場へ。


会場は先日食事をした鼓楼の北側の四合院を改修したレストランへ。
ビール、ワイン、スパイスの効いた東南アジア料理を堪能する。
僕は学生たちから精華大学の名前のはいった紫色のTシャツをプレゼントしてもらった。

その後、近くの雲南料理のバーで、強い地酒を飲む。

SAKO事務所のウチノさんやアオキさんも寄ってくれた。

学生たちは徹夜明けで疲労の極致。

24時ころにお開きにする。


いろいろと反省はあるが、実りの多いワークショップだったと言えるのではないか。

来年はどうなるか、まだ未定だがなんらかの方法を探りたいと思った。


明日は11時30分頃にホテルを出て空港へ。帰国の予定。