北京WS 10日目 :: 見学ツアー

syamashiro05312005-08-08


今朝は8:40にバスが到着し、学生と一緒に一路万里の長城方面へ向かう。

途中、ちょっとした渋滞もあり、10時に長城の駐車場へ到着。
ここはあまり観光化されていない部分とのこと。

さっそく入場料をはらって、長城へ。噂にはきいていたが、結構な急斜面で、スロープや蹴上げが300mmくらいありそうな階段を登る。最初はいいが、すぐに息があがってくる。狭い階段は登ろうとする人と、既に下り始めている人で混雑している。
かなりの高齢者から、幼児まで。
長城での滞在時間は2時間としたが、30分も登るとふらふらになる。このままだと倒れそうなきがしたので、無理をしないことにして、引き返す。下りは楽なのかとおもったが、300mmもの段差のある階段を、下り続けるのも、かなりの体力を使うことがすぐに分かった。

駐車場の横の売店のテーブルで一休み。

12:00に集合して次へ。

12:30にcommune by the greart wallへ。建外SOHOと同じデベロッパーが開発した、万里の長城のそばの高級別荘群。
いまは入場料を払えば入れるほか、ホテルとして営業している。入場料120元のところ、団体だったので60元にしてもらう。神戸芸術工科大学の学生たちが団体で来ていたので、一緒にまわることにする。

日本語のできるガイドがついて説明をしてくれる。
坂茂、ゲイリー・チャン、隈研吾、古谷らの別荘を見学。中も見れた物もあるし、外からだけのものも。

隈研吾の別荘はアクオスの宣伝でもおなじみの「竹屋」(中国語でこういうらしい)。ステージセットのような建物で、竹は美しいのだが、背後の実際の黒く塗った壁が気にかかる。演劇のセットなどだと、黒く塗った部分というのは、「ないものとして見る」というような約束事によって成り立っているように思うのだが、これもそうだと思った。ゲストも含めての一種のステージセットとしての別荘。

古谷さんの別荘は外見の派手さはないが、空間が伸びやかで、連続感があり、素直にいい建物だなと思った。

でも、この土地までやってきて、宿泊するのであれば、圧倒的に隈さんの別荘だとおもった。北京中心部から遠くはなれていること、緑がゆたかで長城が見え隠れするような特別なな場所。非日常的な空気。
そうしたものを本当に「特別な時間」として演出してくれる体験として、やはりかけがえのない建築のように思えた。

それにもましてよかったのはセンターのゲストハウス。
トコロさんの作品がラウンジ飾られていてびっくりした。


14:30すぎにバスで出発し、798へ。

15:20ころ798到着。学生に798スペースや全体の骨格をみせ、自由に見学してもらう。僕はat cafeで昼食。ホント、何回きてもいいなー。

その後798からそれほど離れていない、中央美術学院で工事が始まっている磯崎新アトリエの現場事務所を訪問。
案内をしてくれたトウフクさんは、ブログを読んで僕が北京に来ているのを知って連絡をくれた。トウフクさんが以前勤めていたゼネコンの設計部時代に、あるプロジェクトで一緒に働いていたことがある。
奈良のコンサートホールに似た外観をもっているが、より自由な曲面で構成されている。
大きな模型を見せてもらう。外には大きな外壁のモックアップもあった。


その後、建外SOHOへ向けてバスで移動。夕方になり渋滞に巻き込まれる。1時間以上かかって、建外SOHOへ到着。

新しく竣工したブロックにある、UAAのオフィスを訪ねる。
東大のOBのワンさん、現役の博士課程の学生でもあるチュンさんらがプロジェクトの紹介や仕事の進め方などについて説明をしてくれる。
決して楽ではないだろうが、何かを始めようとしている活気が感じられた。

19:00過ぎに、事務所を失礼し、外へ出る。

学生と明日の手順を確認し、現地解散とする。みんな夕食へと向かう。


その後僕は、トウフクさんといっしょにワークショップの敷地の北東にある鼓楼の北のタイレストランへ向かう。
ここは、四号院をリノベーションしたレストランになっている。后海のいかにもツ−リスト向けのものにくらべると、ずっとおしゃれて洗練されている。食事もおいしい。

ここではトウフクさんが声をかけてくれて、OMAのCCTVの担当者であるシライさん、元ザハ・ハディド事務所勤務で、現在パートナーといっしょにアトリエを開いているハヤノさんと一緒に4人で食事を楽しむ。
それぞれでの仕事の進め方など面白い話がたくさん聞けた。

その後、同じオーナーの経営によるバーへ。ここも四号院を改修したところで、非常にかっこいい。大きさもそれなりにあるので、最終日の打ち上げにいいかも。

さらに場所を移して鼓楼のすぐ北側のバーで飲む。

ゆっくりと話をして、24:00過ぎに店を出る。


今日は非常に充実した一日だった。

学生たちも、今日の刺激をもとに最後まで乗り切ってほしいなと思った。