LVLと

今日の午前中は、新木場でLVLの防耐火部材の開発ワーキンググループに出席していました。全国LVL協会と、協会の幹事会社でもあるLVLメーカー・キーテックなどが進め、学識者、素材メーカー、各種協会などが参加する研究会です。類似の研究には2010年から建築家、デザイナーとしての立場で参加させていただいています。

資料を整理していると、2004年11月に腰原幹雄先生の紹介でキーテックの木更津のLVL工場を見学したのが、LVLとの出会いでした。その後、出雲のLVLを外壁に用いた住宅「HOUSE H」が竣工したのが2007年1月。その内容などを踏まえて東京大学生産技術研究所でのシンポジウム「木を積む」で発表をさせていただいたのが2008年11月。その辺りからキーテックや全国LVL協会とのやりとりが始まり、展示会用の展示インスタレーションのデザインや、LVL防耐火関係のワーキングへの参加を通じて、主として「LVL積層面の表情の意匠性」をデザイナーとして、メーカーや協会のみなさんに訴えてきました。

その過程のなかで、キーテックの総合カタログのコンセプトづくりと記事の制作といった、建築設計事務所らしからぬ仕事もさせていただきました。

LVLには、構造性能の高さと、積層面などの意匠性の高さがあり、構造と意匠を兼ねそなえた「LVL打ち放し」のような新しい建築表現を確立できる可能性があると考えています。

同時に、主要構造であることにこだわらず、仕上げ材としての可能性も追求する余地がたくさんあると考えています。そうすることで、新築の建築だけでなく、各種リノベーションや内外装でも使える部分がたくさん出てきます。杉材のような強度的に脆弱な樹種であっても、積極的に使える良さもあります。近い将来、関係者の努力によって、防耐火性能をもったLVL素材を公開できると思います。

個人的には来年で10年目のおつきあいになるLVLという素材。まだまだ可能性はたくさんありそうです。

http://www.key-tec.co.jp/vision.html

コンセプトづくりと制作を担当した総合カタログ:KEYTEC VISION
http://www.key-tec.co.jp/wp/wp-content/themes/keytec/pdf/keytec_vision-2012.pdf
インタビューなども収録した、読み応えのあるカタログです。ぜひご一読ください。