DAL 0528 市庁舎/鳳鳴街/南山街/TOSTEMギャラリー/大連理工大学/黒石礁/中山広場

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朝は6時半に起床。シャワーを浴び、手荷物をまとめてレストランへ。中華の朝食。ホテルは大学の敷地内にあり、国際会議場となっている。東大もこのくらいの施設はあってもおかしくないのだが。8時にホテルロビーで先生方と待ち合わせ、学生の乗るバスへ。バスで市の中心部へむかう。

最初は市庁舎前広場へ。ここは関東軍の司令部があったところ。建物はそのまま使われている。日本が租借していた時代の、いわば被支配の象徴ともいえる建物だと思うのだが、破壊されずに使われている。対日感情も悪くなく大学はもとより、街角でも日本人だといっても笑顔で迎えられることが多い。大連はロシア人によって最初の街の骨格が計画されて以来、大きなカタストロフィーを経験していない。戦争の混乱の中でも大きな破壊もなく、大規模な地震にも見舞われていない。美しい自然と都市の文化が共存した大連。そのおおらかさがよく出ている都市だと思う。

つづいて鳳鳴街へ。日本人街のひとつだが、南山麓にくらべると中心部から離れており、下級の職員の居住地区だったそう。家も少し小振りで、二階建てのアパート群のブロックもある。南山麓では、新しく開発された通りは素通りして、古い住宅が残る部分へ。その後、范先生、周先生らが企画した、旧日本人街の建物の実測図面などを展示した展覧会を見にTOSTEMギャラリーへ。トステムは大連に建具の工場があり、これまでは日本への輸出が中心だったが、今後中国国内の販路を広げたいとのこと。展覧会の内容は、学生の演習の成果でもあり、短い演習の成果がこのような場できちんと発表できるのはすばらしいとおもった。

その後大連理工大学へもどり、弁当の昼食。ホテルからパソコンや、モバイルプリンターを持ち込み、移動オフィスの設営。WIFIも快適。海外サイトへの接続にはフィルターがかかっているようで、つながらなかったり、とても遅かったりするのが難点。電話で事務所のアンドウさんと連絡。昨日の図面のチェック内容を説明。夕方に日中の先生方で集まって、成果物の内容のディスカッション。基本的に東大側の提案を受け入れていただく。その後いくつかのグループのエスキスを行う。日中共通のキーワードを見つけることができたグループは作業がはやい。

夕食は、范先生、周先生、呉先生、ナンバ先生、イシカワ先生、ノボリサカ先生といっしょに、黒石礁の魚料理のレストランへ。魚料理がおいしいのが大連のうれしいところ。その後夜の中山広場や旧大和ホテルを見学し、住宅街のおちついたバーでお話をする。

「中国でのプロジェクトは大規模なものが多い分、行政やデベロッパーとの葛藤が大きく、建築家が「これはおれがやった」と言えるものになるケースがとても少ない。これでは建築家としての自我が育たない。日本では小住宅のような、若い建築家でも全力で取り組み、自我を育てることができるチャンスがあることがうらやましい。中国では若い建築家がどうやってそのような機会を持つことができるかが課題だ」という話しはとても興味深かった。

ホテルにもどり、部屋から事務所のアンドウさんに連絡。作業の進捗状況などを確認。プレゼンテーションの準備をすすめている、LVLを使った展示計画についても東京に連絡をとる。