創造力と想像力

先日、事務所のスタッフに、等々力の集合住宅spreadの管理をしている不動産会社からクレームの電話があった。大学生らしき人々が集合住宅のインターフォン(集合玄関器)から、無差別に住民に通話をし、中を見せてほしいと頼み、住民から不動産会社にクレームの連絡が入ったとのこと。

自分の設計した建物に興味をもってくれたことは光栄に思うし、いまどき知らないところに飛び込んでいく勇気?には感心するが、ちょっと想像力がなさすぎる。

アポなしで出かけていっても快く導き入れてくれる住民もいるのではないかと期待したのかもしれない(実際その可能性もある)。社会はそのようなものであるべきだと考えているのかもしれない。
それなりのステップを踏めば、建物の中を見せてもらうような機会も作れるかもしれない。しかし、そのためには関係者の理解を得ていく、手順が必要だ。今回のようなことがあった後ではその芽も摘まれてしまったかもしれない。

自分のすることが、その後にどのように影響を及ぼすか、もう少し想像してみることだ。

建築やデザインを学ぶ学生には、現在の状況に安住せず、世の中を変えていこうという野心・創造力をもって欲しいと思う。でもそれを支えるのは想像力のはずだ。