DUSP2008-2009 CSP 1121 手銭記念館/パラオ/神迎の道/木綿街道/ランプの湯

朝ホテルで集合し、軽自動車に乗って大社の手銭記念館へ。8月のワークショップを通じて知り合った、テゼンさんにお話をお聞きする。テゼン家は大社の旧家で、自宅の蔵を改修して、古美術などを公開している。現在の当主の娘さんが東京画廊にも勤めた現代美術の若いギャラリストで、今回は自宅の本来はプライベートなスペースを開放し、アーティストにレジデントしてもらいインスタレーション作品を制作、展示している(「つづくこと・なくなること・くりかえされること 2008」)。

昼食は日御碕のシーズンはずれのお土産物店で。ここで食べる海の幸が気に入っている。

その後車で中心部へもどり、パラオという大型店舗へ。ここに店を構えると同時に、近接する中心商店街組合の代表も務められたイシバシさんにお話を伺う。学生たちの提案や活動する姿は商店街の方に刺激を与えたこと、新しいイベントを起こすのではなく、いまあるイベントに協力する形で今後活動を継続できないかというようなお話をいただく。同時に、商店街だけでなく、周囲の自治会などもふくめたまちづくりの議論の場ができつつあるので、そこで一度話をしてみないかと誘っていただく。ぜひ参加させていただきたいと答えた。

再び大社にもどり、神迎の道の会の代表をつとめるアオキさんのお話をお店で伺う。学生たちが提案してくれたモビールのアイデアは、町のかたもおもしろがっていただいたようで、神事としての神迎の時期ではなく、人出もあるゴールデンウイークなどに地元の子供たちと一緒につくって展示するような形にしてはどうかという提案をもらう。また、神迎の道の会という組織の有り様や、目指すものなどのお話をお聞きする。面白かったのは、会への所属は個人単位ではなく「○○家」単位であること。僕の目にはおかみさん連の活躍が目についたのだけれど、必要に応じて、男衆やこども達も出てくるとのこと。また目指すものは、風習の保存と、それを通じた地域への誇りの醸成、そして町へやってきてくれた人々をもてなしたいという気持ちだというお話をうかがう。まちづくりの活動は得てして観光や商業の振興、あるいは修景に一足飛びにむすびつく。我々もソフトの大事さを説いているつもりでも、建築家の性としてどうしても最終的には修景的なものやハードの整備に行き着く。おもてなしということを考えていると、だんだん町の景色も気になって来ています、というお話があったが、その歩みはとてもゆっくりだ。

その後は平田の木綿街道へ。クルマさんのお話を聞く。木綿街道は江戸の後期の町並みが残る一画。背後に水面をもっているところが魅力的だと思う。興味深かったのは、この町並みの再評価やイベントが、観月会などをして楽しんでいた町の人々の一種の「まちをつかっての遊び」として始まったというお話だった。10年ほどの間に紆余曲折があったようだが、今ではすっかりと知られた町となった。

夜は出雲市駅前のランプの湯という駅前温泉へ。鉄分をたっぷり含んだ赤い湯。風呂上がりは隣接する居酒屋で夕食。のんびりと過ごす。