大小の柔軟な組み合わせ

松坂屋、銀座店隣りに路面店 大丸が手本

 松坂屋は8日、主力店の周辺にあるビルの空きスペースなどに路面店の出店攻勢をかける方針を明らかにした。第1弾として3月、東京・銀座店に隣接した自社ビルに出店し「銀座戦争」で巻き返しを図る。巨額の改装投資をせずに従来の百貨店とはひと味違う雰囲気の売り場を増やし、効率的に売り上げを伸ばすのが狙い。店舗周辺に次々と出店して成功した経営統合先の大丸が手本になった。

 松坂屋銀座店が路面店を開業するのは、都市銀行の支店が入居していた中央通り沿いの一角。周辺には欧米の高級ブランド店が集中しており、銀座にふさわしいブランドの売り場を展開する見通しだ。松坂屋は名古屋本店や東京・上野店などの周辺でも、路面店に活用できる物件を選び、地域の特性にあった多様な売り場を増やす方針だ。

 手本となった大丸では、主力店を取り囲むように立地する路面店が売り上げを補完する重要な役割を担っている。同社は現在、神戸店周辺に59店、大阪・心斎橋店周辺に25店、京都店周辺に7店の計91の路面店を構える。神戸店の場合、07年2月期の売上高1007億円の1割強に当たる123億円は、同店近くの旧居留地に出店したファッション性の高い服飾販売などの路面店が稼ぎ出している。

 神戸店の売り場面積は約5万平方メートルだが、周辺店舗の約1万平方メートルを含めると約6万平方メートルに達する。主力店と路面店では共通のポイントカードを使えるため、路面店の主要な顧客である若者らを従来の百貨店の売り場に呼び込む効果も期待できるという。

http://www.asahi.com/life/update/0108/NGY200801080012.html

商業が、かならずしも大規模なショッピングモール化を指向しない一例といえるかもしれない。

大きなものと、小さなものの柔軟なネットワーク。二子玉川高島屋と柳小路の組み合わせにも同じようなものを感じる。