改正建基法で住宅のデザインはどう影響されるか

改正建基法で住宅のデザインはどう影響されるか――構造設計者座談会

 改正建築基準法が、建築デザインの自由度に制約を与えている。住宅の構造デザインがどのような影響を受けるのか、今後どのような展開が可能か、法制度とは本来どうあるべきなのか──。住宅設計の経験豊富な4人の構造設計者に、いま直面している状況や打開策について語ってもらった。(中略)


佐藤 薄肉ラーメン構造は柱形と壁厚が同じもので、頻繁に採用する。今は拒否感なく受け付ける審査機関もあれば、受け付けない機関もある。

 混構造は、もともと審査側の拒否感が強かったが、最近は理解も広まっていた。法改正後は軒並み拒否される状況で、逆戻りしてしまった。

江尻 薄肉ラーメン構造では、有限要素法で解析すると審査を受け付けてもらえない。審査側に理解できる人が少ないからだ。モデルを一貫計算プログラムに乗るように置き換えて計算しようとしたが、審査機関から「柱と壁が同厚というのは建築基準法上、特殊な形状だから、通常の確認申請では駄目だ」と拒否された。

金箱 柱形と壁厚が同じというのは許容されている。ラーメン方向では、接合部の検討ができていれば問題ないはずだ。(中略)


名和 段差がある敷地で、木造2階建てを建てるケースも要注意となった。駐車場の関係で地下にRCの構造体が一部付く場合がある。混構造の3階扱いとなり、一部でRC部分の壁量とバランスの制約がかかる。特殊ではないが、適判を通さないといけない場合が出ている。

佐藤 地上が木造で地下がRCというのが、混構造になる。以前は、自治体によって緩和規定があって、地上部分は4号建物扱いで済んだ。今は、地下があったら許容応力度計算をしなければならない。

http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/building/news/20071206/514014/

ヤマシロもお世話になっている、金箱さん、佐藤さんたちが住宅の構造設計に関する対談をされています。

いろいろ不安の募る、基準法改正関係。こういった具体的な話が聞けると、少しは対策も出来るようになってくるのでしょうか。

ちなみに「トドロキ・チビ」は金箱先生、「トドロキ・ノッポ」は佐藤先生に構造設計をお願いしています。