0303 卒業設計合同公開講評会
3日は東京大学、東京藝術大学、東京工業大学の三大学の合同の卒業設計の講評会を東大安田講堂で実施。これまで3年間は東大のみの公開講評会であったが、さらに開かれたものをめざし、今回は合同の講評会となった。
ゲストクリティークには、槇文彦、石山修武、青木淳、鈴木明、貝島桃代という重鎮から若手までの5名。段の下で教え子たちの発表を見守る教授陣に、難波和彦、千葉学、大野秀敏、岸田省吾、長澤泰、西出和彦、加藤道夫(以上東大)、六角鬼丈、北川原温(以上藝大)、坂本一成、塚本由晴、八木幸二(以上東工大)諸先生方という、そうそうたる面々。来場客数は定員の1,200名程という満席の状態での発表。盛大な会となった。
各大学から4名、計12名の学生が発表。それぞれのクリティークのあと、全体の講評をもらい、グランプリや個人賞の決定が公開で行われた。
グランプリと二位の作品には、内的なイメージから作り上げたものが選ばれた。これはディスカッションの中でも出た「建築がとりくむ問題がみえにくい時代」という発言にもつながる結果なのだろうか。
都市に対して分析的な取り組みを見せている作品もあったのだが、それらの案に内的なイメージから組み立てた作品程の熱が読み取れなかったということなのだろう。
個人的には、私的な着想から始めて、それを分析的な思考にまで開き、自分の私的な発想を外からもう一度見返す。クールな手法を用いながらも熱を失わない、そんな作品を来年は期待したい。
そして、自分の作る物もそういったものでありたい、と思った一日であった。