UIWS0731 シドニー到着/Cockatoo Islandへ

UIWS_tabin.jpg

昨晩は、成田を出発して無事にフライト。時差が一時間しかなく、夜通し飛んで朝早くにシドニーに到着。渋谷から出雲まで夜行バスで行くと11時間かかるが、成田-シドニーは9時間30分。飛行機が混んでいたので、あまりリラックスして眠れなかった。やや寝不足のままシドニー空港に。Joanneさんが空港まで迎えにきてくれている。

タクシーで15分ほどで市街地に到着。シドニー大学に近い所に住んでいる、Marcさんのアパートにお世話になることに。もともと6階建ての倉庫を改修してアパートにした集合住宅。とても綺麗に改修されている。荷物を置いて、挨拶も早々に、おなじく近くに住んでいる、Tom Rivardさんのスタジオに歩いて行く。Tomさんが今回のワークショップの仕掛人。もともとアボリジニが多く住んでいたという地区にあるスタジオ。これまたかっこいい改修がされている。自分の普段の生活空間と比べて、どうしてこうも違うものかとちょっと悔しい、というか寂しい気持ちになる。


自動車2台に分乗して市の中心部から西に車で15分ほど行った地区へ。湾を望む丘の住宅地の中に大きなクルーザーを建造している造船所がある。そこでディーンであるトム=ヘネガンさんたちと落ち合って、チャーターした小さなボートでワークショップの敷地であるCockatoo Islandへ。シドニーに到着して、3時間ほどで、住民たちもあまり立ち入ったことのない、もともと打ち捨てられた島に立っていることが不思議な感じがする。北京に行ったときも、まず空港から798に行った。世界中に同じようなBrown Fieldがあり、同じような空気を放っている。

この島はもともと砂岩で出来ていて、とても柔らかい。そのため、もともと丘のようにこんもりとしていた島を、工場を造るために削って水面に近い部分は完全にフラットに削ってある。削って出てきた岩、というか砂でさらに海岸線が埋め立てられていて、海岸線は完全に人工的。一方で島の中心部には削られていない丘が残っていて、低い部分と高い部分の間には、ほぼ垂直な20mの崖がある。丘の上には罪人のための宿舎などがあったり、造船のための関連工場があったりする。

空間の大きさからいうと、圧巻だったのはもともとタービン工場だったというスペース。20m以上の高さのある大きなスペース。いままで東欧や中国でもいろいろと面白い「元工場」とか「元倉庫」というスペースを見たけれど、大きさからいうと今回のが圧倒的に大きい。

ほかにも、面白そうなスペース満載で、気が狂いそう(笑)。ワークショップの講師をやる、というより自分でデザインをしたくなった。

午後になって、再びボートで本土にもどり、昼食をフィッシュマーケットでとる。食後は荷物をとりにMarcさんのアパートにより、シドニー大学のJoanneさんのいる研究室へ。回線を借りてメールのチェックをしたり、持参したGSM携帯用のプリペイド回線をアクティベートしたりする。

夜は再びTomさんのスタジオへ。ビールを飲んだりしてくつろいだ後、夕食をとりながらワークショップの課題についてディスカッション。われわれは「大人数で食事を楽しむイベントのデザイン(空間のデザインと、時間のデザイン)」を課題とすることに。実際に島を見てから、課題を変えることにした。第一週目で大きな模型をつかったアニメーションをつくり、第二週目にその中の1-3案を実際に共同で制作することとする。島の中からポテンシャルの大きい特徴的な場所を探し出し、そこに最小限の物理的な介入と、人々の体験をデザインすることで、この島の可能性をドローイングや模型だけでなく、小さくても実際に体験可能なものとして提示することを目標とする。Tomさんたちからもポジティブな反応があり、ちょっと安心する。

やはりつたない英語だけではうまくニュアンスが伝わらないので、自分たちの過去のインスタレーションやパフォーマンスの写真やビデオを見せたり、同じようなアイデアに基づいている他の作家のプロジェクトなども紹介することにする。Joanneさんにもかなり手伝ってもらうことになりそう。

22時過ぎまで、おしゃべりを楽しんで、再びMarcさんのアパートへ。明日の午前中のプレゼンテーションのための準備をしなければ。