私はかたち以外のことを考えたことがない

建築家の篠原一男さん死去 警察署などの前衛的作品

 ガラス張りで逆ピラミッド形をした「熊本北警察署」や「東京工業大学百年記念館」など、一貫して前衛的な作品を手がけた建築家で東京工大名誉教授の篠原一男(しのはら・かずお)さんが15日午後1時13分、川崎市の病院で死去した。81歳だった。葬儀は近親者で行う。喪主は長女新後美和子(しんご・みわこ)さん。

 大学教員を49年に辞めた後、東京工大建築学科に入学し、清家清氏に学んだ。多くの独立住宅を手がけ、「から傘の家」「白の家」など伝統的な日本建築を抽象化し、前衛的な現代建築に結びつける作風だった。

 70年に同大教授に就任。坂本一成氏らの後進を育てたほか、伊東豊雄氏ら多くの建築家に影響を与えた。89年に「東工大百年記念館」の設計で芸術選奨文部大臣賞、90年に紫綬褒章、05年に日本建築学会大賞を受けた。

http://www.asahi.com/obituaries/update/0715/004.html


個人的にはなんのつながりもなかったが、やはり常に気になる存在であった篠原一男氏。

2002年にギャラリー間の100回記念展として行われた展覧会・シンポジウム「この先の建築」にもっとも若い世代としてヤマシロも参加させていただいたが、篠原さんはもっとも上の世代の一人として出席されていた。レポ−ト記事を書くために、篠原さんが参加されたシンポジウムを聴きにいった。他の参加と違って、フリーな対談に加わるのではなく、事前に用意した原稿を淡々と読み上げられていたのが印象的であった。既に体調を崩されていたと思うが、学生などの若い参加者も多数いるなかで、学生時代から今に渡る自らの長い創作の歴史を漏らさず伝えたいという思いを感じた。


「私はかたち以外のことを考えたことがない」という、篠原さんの言葉が印象的であった。

ギャラリー間 「この先の建築」連続シンポジウム レポート::
http://www.toto.co.jp/gallerma/100times/rpt_a4.htm