LVL材の積層で倉庫をつくってみる

出身地の出雲市で進めている農家のリノベーションのプロジェクトのために、LVL材で倉庫をつくりました。

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LVLの105X140mmの柱材を積み上げるかたちでつくる、モダンなログハウス、あるいは「LVL打放し」といった趣きです。この構法は母屋の増築部でも使用します。


建物の断熱性能や遮音性能などを考えていく時、たくさんの部材の組み合わせをを正しく設計し、正確に施工していくことが必要です。失敗すれば設計通りの性能が出ない他、壁内で結露をしたりといったトラブルの可能性もあります。在来の木造や鉄骨造の建物では、こういった神経をつかう精密なプラモデルを設計、組み立てすることが、醍醐味であるといえるかもしれません。


でも僕自身は(なぜだか分かりませんが)槇事務所時代を含めて、たくさんの鉄骨造の建物を設計してきましたが、どうも「壁の中がすかすかしている」ということに感覚的な違和感を感じてしまっています。「あの隙間の中は、いまどうなっているのかなー」という感じです。


一方でコンクリート打放しの建物には、構造と表現の一致やそのテクスチャーなど美しさ、壁の中がみっちりと詰まっている充実感?を感じますが、熱環境的には過酷なものになりやすいという欠点があります。


今回のLVL積層の構法が十分な、期待通りの性能を発揮できれば、木という、もともと複合的な性能をもった材料を現代的な技術で使用することで、「ものぐさな」設計が可能なのではないかという期待もあります。


今回のプロジェクトではこの構法の限界を極めた、というほどではありませんが、別のチャンスにさらに照明とのインテグレーション、意匠面の可能性などをさらに追求してみたいと思っています。