TEE 大連理工大学でのスタジオ課題 前半終了。

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大連理工大学で出題し、指導を担当している「海天学者课程Studio设计 “Temporary Event Environments ― 虚拟建筑环境的构想与实践”」の前半が終了しました。

講評会の様子は、
大連理工大学 建築与芸術学院::
http://aaschool.dlut.edu.cn/www/index.aspx
の「新聞」の「海天学者Studio课程前期阶段圆满结束」をクリックしてください。

課題としては、市内の好きな場所を選び、仮設の環境を設計すること、です。仮設の環境の設計においては、アイデア、だけでなくそれをどのような素材や構法で組み立てるかまでを試作を含めて行ってもらいました。実験のしやすさもあり、照明を使ったアイデアが多く集まりました。

イデアやイメージを語るだけではなく、それを実験で確かめ、実験の結果をもってアイデアにフィードバックを行う。言ってみれば当たり前のことですし、模型などを使っての設計のスタディもその通りなのですが、「イメージ」を「パース」にすれば、それでなんとなく大きな建物が建ってしまう中国において、イメージに責任をもつことを体感してもらえればと思っています。

最初は普段と違うプロセスに戸惑っていたようですが、次第に実験をしてその様子を記録していくプロセスに面白みを感じてくれたようで、最後の方にはみな要領を飲み込んでくれたようです。今回のスタジオには学部の3年生、4年生と6年生に相当する修士の1年生が参加してくれたのですが、修士より学部のほうがうまく取り組めたように思います。これままだアプローチが柔軟なせいでしょうか。

反省としては、自分で試作出来ること、してみることを重視したために、部分としてのもののデザインはできたのですが、それをどのように配置し、その場所のポテンシャルを表現出来るか、というところまでできた学生が少なかったことがあります。まあ、これは高望みというものかもしれません。

発見としては、好きな敷地を選んでもらうことで、自分もしらない面白い場所を教えて欲しい、という気持ちもあったのですが、ほとんどの提案が大学内部かその周辺に限られ、自分も知っているような場所が大半であったことです。これは、基本全寮制であり、以前は大学の周辺から離れて活動することを制限されていた名残か、週末を含めてほとんどの学生が大学とその極く近傍で生活しているからのようです。建築や都市を学ぶ学生は、アクティブな都市的な環境にあって欲しいと思いました。

これから後半の開始。7月24日の一般公開プレゼンテーションに向けて、23名の履修者一丸となってインスタレーションを実作します。