0419 あざみ野/新百合ケ丘

土曜日はオープンハウスのはしご。子供連れで出かけようとおもっていたが、朝になって子供に振られ、一人で出かけることに。

巣鴨、渋谷、あざみ野と電車に乗り、駅前からバスに乗る。ナンバ先生の箱の家124へ。箱の一角を45度に切り落とした箱の家。切り落とした面が南を向いていて、日差しを受け止める。前面の道路に対して大きく窓を開いているが、既存の生け垣が残されているのと、面が道路に正対していないせいか、なかが丸見えでいたいたしい、という感覚はない。ほぼ一番乗りでお邪魔し、込み合って来たところでおいとまする。

その後、田園都市線南武線小田急線と乗り継いで新百合ケ丘へ。桑原茂さんのオープンハウスへ。桑原さんのご両親がオーナーの住居+事務所で、桑原さん自身が使われるそう。一種の自邸。新百合ケ丘の駅前からもそれほど遠くない宅地の一角にある。

三つ又状の平面で、それそれの端部が寝室、DK、水廻りなどになっていて、中央は一種の交差点のような雰囲気。特別な機能はないが、ブリッジが頭上を横切るこの空間が、アクティビティの低い郊外の空間なかに、密度の高い風景をつくり出すのだろう。箱の家124にも二層吹き抜けにL路型に様々な居室が面しているのだが、対照的なありかただった。三つ又の空間の面白さを出すのにはこの交差点から遠い場所があればいいのにとも思うが、むしろこの平面によって出来上がる複数の外部空間のほうが重要なのだろうと納得した。


小田急線のこのあたりは、大学に上京して最初に住んだ場所。バブル絶頂期に上京した僕は、地理もわからないまま、自分の予算に見合う部屋を探して行ったら小田急読売ランド前まで来てしまった。三ヶ月ほど住んだが、ここまで遊びに来てくれる友人もさすがにおらず、親しくなったサークルの友人の家に方面の近い赤羽に速攻で引っ越すこととなった。90年代初頭の新百合ケ丘はこれから開発されるだろう雰囲気は合ったが、まださみしいところだったと記憶している。駅前は歩車分離のデッキ空間がひろがっているが、よくあるような殺伐とした雰囲気は感じなかった。緑の多さや、駅前の猥雑なビル群に囲まれていないのが一つの原因だろうが、もともとある地形の起伏が、歩車分離の白々しさを緩和しているのかもしれない。一度ゆっくりと見に来ようと思った。