TRWS2007 0924 大学/ボルゲーゼ公園/ショッピング

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朝7時30分ころ妻からの電話で起床。食堂で朝食。ナンバ先生、スズキ先生、アン・トゥーと。

パソコンをもって、バスで大学へ。中庭で事務所と連絡。模型撮影の準備の最終確認。その後ヴィラ・ジュリアへ、しかし月曜日で休館。日本文化会館をしたから眺めながら、近代美術館へ。こちらも休館。月曜日は休館のようだ。そのままボルゲーゼ公園へ。ぶらぶらと歩く。動物園の動物がちょっと見える。愛犬家のあつまる広場もあるようだ。公園のWIFIスポットで接続を試みるが、登録が必要なようだ。途中、ポポロ広場を見渡せる見晴らし台へ。バチカンも見える。一回りして大学へ戻る。

スカイプで家族とビデオ通話。明後日には会える。ガッツォーラ教授に会い、最後の挨拶。レオーネとポポロ広場そばのリストランテへ。たまたま通りかかったレオーネの指導教官であるボッサリーノ教授とそのアシスタントと一緒にランチ。今後の雑誌の特集の打ち合わせ。ボッサリーノ教授は建築は日本のように工学部の一部になるべきだという持論のようだ。ルネサンス以来の美意識を現代的なものに組み直すために、環境や技術への視点が欠かせない、という意見。ナンバ研としては心強い。今回は身内の不幸などもあり、ワークショップには参加できなかったが、なんらかの形で一緒にプロジェクトにかかわってみたい。

その後大学にもどって、ふたたびレオーネと打ち合わせ。その後街へ土産物を買いに出かける。

大学の近所の雑貨屋で、小分けのバルサミコ酢やカン詰めのオリーブオイルを。モダンな文房具屋で名仕入れとバッグを。TADでWallpaperのサンパウロのガイドを購入。近いうちにいけるようにおまじない。モレスキンの自分で作るガイドブックを購入。プラハ版を購入。こちらも近い将来行けるようにのおまじない。地図や地下鉄案内などの最小限の情報が載っていて、残りの空白に自分なりの発見やショップ、レストランの記録を書き込むような形。技術的にはなんの新しさもないが、アイデア一つでイマジネーションをかき立てる商品をデザインできる好例だと思う。街角のマガジンショップでカズにローマのパトカーのおもちゃを購入。ナボナ広場の側のレオーネおすすめのおもちゃやにも立ち寄る。とてもきれいなぬいぐるみや精巧なおもちゃがあり、美しい。でも、うちの子供にはまだ精密すぎる気がした。もうちょっと大きくなってから買い与えたい。

宿坊そばのネット・ポイントでメールのチェック。スカイプをみると事務所のみんなは全員オフライン。無事撮影は終了したということだろう。ごくろうさま。

カフェでビールを一瓶買い、スーパーでチーズを買って宿坊に戻る。ビールをのみながらスーツケースの荷造りを行う。

夜は20時にナンバ先生、スズキ先生と待ち合わせ。レオーネさんが最後の挨拶にきてくれる。レオーネさんがヨコミゾマコトさんの富弘美術館について書いた記事が大きく載った雑誌をことづかる。近所のリストランテが閉まっているので、官庁街の方面の中華料理へ。ローマの最終日に中華料理というのも不思議な感じだが、とてもおいしかった。


今回のローマ滞在で、様々なものを見たが、自分としては古代ローマの遺跡が一番興味を惹かれた。それに比べると例えばルネサンスの建築などにはそれほど興味をもてなかった。

これは、ひとつには古代ローマの遺跡が、そのスケールの大きさなど分かりやすい驚きがあるのに対し、中世近世の建築を真に味わうには単純な驚きだけでなく、それにまつわるたくさんのストーリーを読み取れる教養が必要だからだろう。僕にはその教養が絶対的に不足している。スズキ先生、ナンバ先生、そしてローマ大学のみななどと過ごす中で、あらためてそのことを痛感した。

もう一つ、これは今回自分でも気づいたことだが、僕はものをみるときに潜在的に自分のプロジェクトの敷地としてその場所を見るクセがあるようだ。古代ローマの遺跡には、そのスケールの大きさ、廃墟であり、何かが欠けた状態であるあることなど、なにかここでプロジェクトをやってみたい、やることでその場に関わることが出来るのではないか、という感情がわき上がる。

それに対して、美しい装飾で覆われた教会などは、すでに完成された状態であり、そこになにか出来るという気がしない。

どうも、これが僕が場所に興味をもてるかどうかの大きな判断基準のようだ。これは自分にとっては素朴だが、大きな発見だった。