出雲へ

HND_koyauya.jpg

週末は出雲で続行中のプロジェクト「House H」の打ち合わせのために出雲に行ってきました。倉庫に続いて増築部が完成し、既存母屋からの引っ越しが進んでいます。次は既存母屋の改修に取りかかります。

主な内容は、瓦の葺き替え、柱の立て入れ直し、漆喰の塗り直し、ふすま、障子の貼り直し、畳の交換などです。一部既存母屋を減築することで、通風と採光を改善する工事も行います。

はじめの写真は既存母屋の天井裏に隠れている小屋組です。すべてを見せることは出来ませんが、玄関の部分に一部小屋組を見せるようなかたちにする予定です。

HND_koyauya2.jpg

小屋組は天井に隠れて見えないため、設計者、施工者、施主の皆で完全防備で天井裏にあがり、打ち合わせをしました。


日曜日は出雲大社の横に出来た「島根県立古代出雲歴史博物館」(槇総合計画事務所)へ。工事中にも何回か訪問しましたが、開館後ははじめてです。チケットを買うために列に並んでいるとオオノ先生にばったり会い、驚く。これから益田、下関とツアーをされるとのこと。

展示デザイン自体は特別みるものはないけれど、やはり宝物のひとつひとつは迫力がある。開館企画展として、出雲以外の伊勢や熊野の宝物も展示されていて、ひとつひとつがとても美しく、ため息がでる。


その後には好きな出西窯(しゅっさいがま)へ。民藝運動の影響を受け、柳宗悦柳宗理とも交流がある。前回訪問したときに主宰者のひとり(母の友人)に「こういった焼き物は、遅い早いはあるけれど、だれでもできるようになるものなんですよ」とこともなげに言われ、「作家性」を捨てきれない建築家の一人として考えさせられた。

実際には民藝としてとらえられるものも個人の創作なしには生まれ得ないものだが、それを無数に反復する中で研かれていく、そういったものの作られ方は建築にはあり得るのだろうか。